仕事から帰り、夕食の準備をしている時。あるいは、週末の試合の帰りの車内。
子供から突然、こう言われたことはありませんか?
「僕(私)、もうサッカー辞めたい。」
親としては心臓が止まるような思いですよね。「せっかく道具も揃えたのに」「あんなに楽しそうだったのに」「ここで逃げ癖がついたらどうしよう」……様々な感情が駆け巡ると思います。
でも、ここで絶対に言ってはいけない言葉と、子供の本音を引き出す「言葉」があります。
今回は、まさにこの壁にぶつかった我が家の経験をもとに、親が取るべき対応と、子供の心を開く3つのステップについてお話しします。
最初にやってはいけない「NG対応」
子供の告白に対して、親が焦ってやってしまいがちなのが以下の2つです。
本音が見えてくる!3つの「聞く技術」
では、どう返せばいいのでしょうか?私が実践して効果があったのは、カウンセリングのような以下の3ステップです。
ステップ①:まずは「おうむ返し」で受け入れる
否定も肯定もせず、ただ事実を受け止めます。
「そっか、サッカー辞めたいと思ってるんだね。」
これだけでOKです。「パパ(ママ)は話を聞いてくれた」という安心感が、次の会話を生みます。
ステップ②:「理由」ではなく「場面」を聞く
「なんで?」の代わりに、「いつ?」を聞いてみてください。
- 「練習に行く前が嫌な気持ちになる?」
- 「試合でミスをした時が辛い?」
- 「コーチに怒られた時?」
こうして質問を細分化していくと、「サッカーそのものが嫌い」なケースは稀であることが分かります。
ステップ③:原因を「3つの箱」に分ける
話を聞いていくと、原因はだいたい以下の3つに分類できます。
- 人間関係の箱: コーチが怖い、友達と馴染めない
- 能力・比較の箱: 自分が下手だと感じる、試合に出られない
- 疲労の箱: 単純に遊びたい、週末ゆっくり寝たい
どの箱に入っているかによって、対処法は全く変わります。
【我が家の体験談】「1週間の完全休養」を提案してみた
私の息子も、小学3年生の頃に「行きたくない」と泣いた時期がありました。
理由を聞くと、どうやら「週末にゲームをする時間がなくて疲れた(疲労の箱)」ようでした。
そこで私が提案したのは、「辞めてもいいけど、とりあえず1週間、サッカーを完全に休んでみよう」という作戦です。
練習を休み、週末も試合に行かず、思いっきり遊ばせました。
すると不思議なもので、日曜日の夕方になると息子が「みんな、今日の試合どうだったかな…」と気にし始めたのです。
結局、「やっぱり来週は行く」と言って復帰しました。あの時、無理やり行かせていたら本当に辞めていたかもしれません。
サッカーを嫌いになる前にできること
もし、お子さんの悩みが「ルールがよく分からなくて怒られる」「動き方が分からなくてつまらない」という(能力の箱)にあるのなら、親が一緒にプロの試合を見て、楽しさを再確認するのも一つの手です。
あわせて読みたい:
【2026年特別大会】Jリーグの試合日程と小学生が学ぶべき「観戦ポイント」3選まずは「見る楽しさ」を思い出させてあげるのも、親ができるサポートの一つです。
まとめ:辞めることは「逃げ」じゃない
最後に。もし話し合った結果、本当に辞めることになったとしても、それは決して「逃げ」ではありません。
「サッカーというスポーツが、今の子供に合わなかっただけ」です。
親の役割は、子供をプロサッカー選手にすることではなく、子供が笑顔でいられる場所を見つけるサポートをすることです。
まずは今夜、温かいご飯を食べながら「そっか、辞めたいんだね」と優しく受け止めてあげてください。

